アンジュルムが新曲イベントで見せたハロプロの未来

アンジュルムが、10月19日に新体制後初となる22枚目のシングル『上手く言えない/愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間/忘れてあげる』の発売を記念したミニライブを池袋サンシャインシティ噴水広場で開催した。

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ここしばらく各メディアで「今のアンジュルムには自信しかない」とリーダーの和田彩花が豪語するように、ハロプロきっての戦闘集団としての勢いを日毎に増していくアンジュルム。7月には今年度の春に開催された、研修生実力診断テストでベストパフォーマンス賞に輝いたスーパールーキー・笠原桃奈が加入と、その攻め手を緩めない。波に乗り続ける彼女たちを一目見ようと、平日の17時半という早い時間にもかかわらず、1800人という大勢のファンが詰めかけた。

17時半キッチリにイベントがスタート。オープニングナンバーとなったのは『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』。児玉雨子作詞による、SF(少し不思議)な世界観をエレクトロサウンドでコーティングした楽曲。この曲で軸となるのは笠原だ。冒頭の「心を持たない」笠原扮する人造人間に心を入れる様を模したダンスから、歌い出しを担当とこの曲の火を点ける大事な役割を担うことに。その期待に応えるように、見事楽曲の持つクールさを、全身で表現していく笠原。今週で13歳を迎えるという若さからは想像できない程の堂々としたステージングを披露した。ただし、囲み取材ではインタビュアーの質問を緊張のあまり忘れてしまったり、喋る度に背が丸まっていくのを勝田里奈に正されるなど、年相応の面も見られたのは微笑ましい。この初々しさもアンジュルムの大きな武器となるはず。

続くは哀愁漂う歌謡テイストの『忘れてあげる』。今曲は現在のアンジュルムの進化を伝えるに十分な楽曲だ。目まぐるしく入れ替わるセンターポジションに、二人一組で歌われるパートでの美麗なハモりなど、個性と実力が噛み合わさった仕上がりになっていた。中でも、淑やかな声を聞かせる勝田から、力強さを感じさせる竹内朱莉、卓越した和田のボーカルリレーは見事の一言。失恋をテーマにした大人びた歌詞も併せて、今のアンジュルムだからこそ歌える楽曲に仕上がっていた。

3曲目に披露したのは前シングル『次々続々』。飛び跳ねるようなダンスの室田瑞希、キレ味鋭いパフォーマンスの佐々木莉佳子、マイペースかつ常に笑顔を絶やさない相川茉穂と3期生三人の魅力がグッと凝縮されていた。加入から2年経ち、より個々の味が濃密に表れるようになっていた。

4曲目はアンジュルムの代名詞とも言える『大器晩成』。ここでは上國料萌衣の成長ぶりが光る。昨年末の初ステージの際、この曲で大きなフォーメーションミスを経験したのが嘘のように、堂々たる立ち振る舞いを見せる。彼女が何かするだけで華を感じさせる。加入から1年という期間は、彼女を大きく変えたようだ。

そして中西香菜はパフォーマンス、MC共にステージに安定をもたらす。特にトークにおいては、何かと脱線しがちなメンバーを諫めつつ、見事にボケ、ツッコみ、回し(そしてイジラれ役)の全てを担えるという離れ業を見せる。

この日ラストナンバーとなったのは『上手く言えない』。『大器晩成』、『友よ』に続く中島卓偉の筆による楽曲は、シンプルな展開ながら複雑な構成で彩られた、またアンジュルムの新たな扉を開く一曲に。新たなアンセムに会場は爆発的な盛り上がりを見せ、ミニライブは無事幕を閉じた。

わずか30分という短い時間に今のアンジュルムの魅力、勢い全てが凝縮されていた。この日の囲み取材で竹内は「来年、モーニング娘。さんを倒します!」と豪語した。新曲でさらなる次元へと歩みを進めたアンジュルム。竹内の言葉通り、ハロプロの次なる未来をアンジュルムが牽引するのは、そう遠くはなさそうだ。(レポート/田口俊輔)

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